東海大学病院

病理診断について
病理診断とは、人体から得られた臓器、組織、細胞、遺伝子を用いて光学的に観察できる標本を作製し、それを顕微鏡下において観察する事により得られた病変の種類、程度から治療方針等を決定するための医療行為です。

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病理学について

病理学とは,病気を科学的に解明しようとする学問であり、臨床医学や医学教育においても,大きな意味を持っている。それは病理学が、現代医学を理解したり実践したりするうえで,最も必要な科学的知識,考え方,研究方法の根幹部分を形成しているからである。

病理学は病的組織の形態学と同義語ではない。それは時代遅れの定義である。病理学は,病気における分子レベルの機能や構造の異常に関する知識と,その個体への影響の理解を含む学問である。

病理学は,新しい科学的方法が導入されて病気の理解が深まるにつれて,絶え間なく変わり改訂され,拡大していく学問である。

病理学の最終目標は,病気の原因を明らかにすることであるが,それは疾病の予防への道を開くという,医学の根本的な目的につながっている。
(アンダーウッド病理学より抜粋)

卒前教育について

3年次 病理病態学  Pathologic Basis of the Disease

[科目の目的]
いままでに学んだ人体解剖学および人体の構造と機能などを基礎として、次のことがらを学ぶ。

  1. 病的状態における構造変化(病変)と機能異常(病態)の関係
  2. 病変と病態の原因と成立ち方(Pathogenesis)
  3. 病変と病態をとらえる手順(診断)
  4. 検査医学の考え方、臨床医学への生かし方
  5. 疾患の疫学、社会的位置づけ
  6. 4年次以降の臨床医学・クリニカルクラークシップに必要な最低限の病理学的並びに検査医学的な知識を身につける。

[授業概要]

  1. 病理学総論
    本科目において重要な位置づけとなるため、各項目について十分な理解が得られるように講義→顕微鏡実習の組み立てにしている。

    講義

    • 身体に生じる種々の病的状態についてその原因と病態の基本を学ぶ。病的状態の原因によって、細胞障害、遺伝性疾患、免疫、循環障害、腫瘍、炎症、環境性疾患などの概念にわけ、各々講義、実習、症例演習を通して学習する。
    • 学習教材は「ロビンス基礎病理学」、教材(実習書、症例演習資料、医学英語単語集)、Web教材 (バーチャルスライド)とからなる。
    • 講義内容は、病理総論的考え方の基本を系統的、統合的に学べるよう配慮され、必要に応じて講義資料プリントが配布される。また、コアカリキュラム十分配慮した内容になっている。

    顕微鏡実習

    • 病気の原因と病態の理解は、病理組織像を学ぶことによってより深まるため、病理組織標本の顕微鏡実習を行なう。
    • 各病態の理解に重要な代表的な疾患の病理組織標本と解説が用意されており、十分な時間をかけて鏡検する。
    • また、自分で実際に病理組織像をスケッチし、わからない点については質問をする作業を通して、より具体的に病理組織像と病態を理解することが可能となる。
  2. 病理学各論

    講義

    • 病理総論を基礎とし、より具体的に種々の疾患の病態を学ぶ。
    • 臓器別に代表的な疾患について主に講義を通して学習する。

    組織実習

    • 各論の講義で学んだ症例の代表的な病理組織像を学ぶことによって、病理組織像と病態との関連を理解する。
    • ヴァーチャルスライド(VS)と顕微鏡を用いた形で行う。

    特別講義

    • 学内外の講師による「特別講義」を開講する。病理を含む基礎系科目で学んだ知識が実地臨床や社会でどのように役立つのを考える、あるいは講師からのメッセージを受け取る場として位置づけられる。

    症例演習

    • 疾患を個体レベルで理解するため剖検症例を中心とした症例演習ケーススタデイを行なう。
    • Small group teachingの形で、実際の症例について課題を調べてグループ内での議論を踏まえて、知識、概念、考え方の共有化をはかる。
    • また、発表会を行うことで、他のグループの症例についても理解を深める。
  3. 臨床検査医学
    • 4年生で学ぶ臨床医学や5年次以降のクリニカルクラークシップで学ぶ診断、治療の基礎となる臨床検査医学の基礎を学習する。
    • 臨床検査を適切に選択し、検査成績を総合的に評価し、病態診断を行うために必要な基礎的知識と理論的背景を学ぶ。
    • 臨床検査所見は、医学的情報のうち最も客観性が高く、身体内部の変化も数値として知ることができると学ぶ。
    • 臨床検査所見から生体内で発生する病態を知る上で、人体の生物学的活動に関する基礎医学(生理学、生化学、分子生物学、免疫学、薬理学、微生物学など)の知識と理解に基づき考察するよう努める。
    • 学習は講義と実習を通して行なわれ、実習は、細菌検査、輸血検査、超音波検査について行われる。

[学習の到達目標]

  1. 病理組織像という視点から、疾患の原因を分析的かつ統合的に理解し、科学的論理的思考力を身につける。
  2. 疾患の原因探索が効果的な治療法開発の糸口となる可能性を理解し、創造的思考力を身につける。
  3. 現在の医学で解明されている疾患の原因を基礎的医学知識として学ぶ。
  4. 代表的な疾患の典型的な病理組織像を実践的に理解する。

[参考書・教科書]

  • 教科書: ロビンス基礎病理学 第7版 広川書店
  • 参考書:Robbins and Cotran Pathologic Basis of Disease, Ptofessional Edition, 8th Edition. Kumar V, Abbas AK, Fausto N, Aster J, eds.Elsevier, 2009

[その他の教材]

  • バーチャルスライド
    総論実習で使用した顕微鏡スライドおよび、各論で学習する代表的な疾患の組織標本はWeb教材 (Virtual microscope)として利用できるようになっており、各自が自由に予習、復習することが可能である。教育計画部 COSテキスト URL http://edu.icc.u-tokai.ac.jp/cos/index.htmlにアクセスし、3年生病理病態学からパスワードを入力後 Virtual pathologyで自由に病理組織像を観察する。
  • 各論画像集
    日本病理学会編各論画像集を以下のURLで供覧できる 。
    (http://pathology.or.jp/corepictures2010/)
4年次 臨床医学A  Clinical Medicine A

[授業内容]
系統別の臨床講義の中で、病理診断学の講義を行う。

  1. 神経病理
  2. 心血管病変の病理
  3. 消化管疾患の病理
  4. 肝・胆・膵疾患の病理
  5. 膠原病の病理
  6. 血液疾患の病理
  7. 婦人科疾患の病理
6年次 クリニカルクラークシップ 病理診断学

1クール 1週間 定員4名以内で行う。

[目的]

  1. 病理診断の概要を知り、診療における役割を理解する。
  2. 切り出し、標本の作製(薄切、染色)、迅速、病理解剖の見学を行う。
  3. 病理所見の記載、症例のプレゼンテーションを行う。
  4. 実際の症例を担当し、指導医とともに、肉眼所見、組織所見を把握し、症例提示を行う。
  5. 国家試験に必要な病理像を学ぶ。

[実習内容]

  1. 病理カンファレンスの参加 (月曜日)
  2. 手術材料1例の診断、発表
    • 症例は月曜日午後に担当者が渡す、発表は水曜日夕方
    • 発表は一人10分以内、症例提示、マクロ、ミクロの解説(テレビを用いて)
  3. 病理解剖の見学
  4. 切り出しの見学
  5. 顕微鏡実習(3年生)の補助
  6. 迅速の見学
  7. 組織標本の入力(発表症例以外)
  8. 卒業試験、国家試験対策 問題解説(金曜日)